海外在住15年以上、英語はTOEIC925点、中国語は旧HSK6級で広東語も日常会話程度に話せる、自称マルチリンガルのトニー(@enjoyhklife)です
英語や中国語など語学を習得するために語学留学を考えている人は少なくないと思います。
かくいう私も、英語では高校時代にアメリカで2週間、アメリカ大学院入学前に1か月間、語学留学をしました。中国語では、社会人になってから2か月間、北京で短期語学留学をしています。
その自分の経験を踏まえて、現在は海外で働いているわけですが、改めて語学留学について振り返ってみたいと思います。
語学留学とは
語学留学とは、英語や中国語など外国語の習得のために留学することを言います。
日本では、なかなか外国人と接したり外国語をしっかり学習できる環境がないため、語学留学がとても人気があります。
もちろん、語学習得のためには必ずしも語学留学をする必要がるわけではありません。
英会話学校に通う駅前留学、ネット上で英会話を学習できるオンライン英会話などもあります。
ただ、外国での生活を体験したり、英語などの外国語を学ぶ友達を作ったり、現地の人と交流したりなどは、語学留学でなければ体験できません。
この記事では、私自身の体験を踏まえて、語学留学のメリット・デメリットを分析し、語学留学を成功させるためのポイントをわかりやすく解説します。
語学留学のメリット
語学留学というと、憧れの外国での生活など、考えるだけでも胸が広がりますよね。語学留学のメリットとしては具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
- 留学期間で集中して語学を学習できる
- 英語を話す度胸がつく
- 外国人の友人ができる
- 海外生活を体験して適応能力がつく
- 将来の進路で選択肢の幅が広がる
それでは、ひとつひとつ具体的に見ていきたいと思います。
①留学期間で集中して語学を学習できる
日本でも英語など外国語を学習することはできます。
でも、普段の生活では、大学での勉強や仕事、人との付き合いなど、なかなか集中して外国語を学習することはできませんよね。
その点、日本を離れて語学留学すれば、語学学習に集中することができます。
語学学校で学習したことを、普段の生活ですぐに実践することができるので、まさに机上の学習だけではなく、生きた語学を身につけることができるのです。
②外国語を話す度胸がつく
高校時代にアメリカに2週間語学留学した時に本当に感じたのですが、語学留学すると英語を話す度胸がつきます。
それまでは、文法や発音にこだわって、間違ったらどうしようとか思ってなかなかスピーキングは上達しなかったのです。
でも、実際にアメリカに行って、現地の人と交流すると、どうしても話さなければいけない場面に遭遇します。
そこで、自分が知っている限りの単語や文法を使って話をすると、意外に通じるんですね。
相手が私の発言を待っているので、間違いを心配したり怖がっている余裕はありません。
英語を話すときは、間違いを恐れずに、自分が知っている英語をフルに活用して伝えたいことを伝えることに集中することが大事なのですね。
また、相手の話を聞きながら、「そういう表現方法もあるんだ~」とか、「今度はそうやって言えばいいんだ」という余裕も出てきます。
この経験や駅前留学やオンライン英会話ではなかなか体験できないでしょう。
③外国人の友人ができる
語学留学をすると、現地で一緒に英語を勉強する他の国の学生など、外国人の友達が増えます。
さまざまな国からきている学生と一緒に勉強するので世界中に友達ができると言っても言い過ぎではないくらいです。
世界中に友達ができるっていうことほど刺激的なことはありませんよね。
他の国からきている留学生と話をしているだけでも自分の視野を大きく広げることができます。
また、私が中国で中国語を勉強した時もアメリカやカナダからきていた学生がいましたが、彼らと一緒にいると中国語だけではなく英語も勉強できてしまうという特典(?)もありました。
④海外生活を体験して適応能力がつく
海外で生活をするというのは刺激的なことですが、海外旅行とも違って大変なことでもあります。
日本だったら何でもないようなこと、生活に必要なものの買い物や、学校とのやり取りなども全て現地の言葉でやらなければいけません。
もちろん、気候や生活様式も異なるので、そういった環境で一定期間生活することで、異なった環境への適応能力やサバイバル力みたいなものもつけることができます。
私も、バックパッカーとして海外を旅行した経験や、留学や就職を通して海外で生活した経験を通して、サバイバル力がついたと思っています。
⑤将来の進路で自分の可能性・選択肢の幅が広がる
語学を習得する、外国人の友人を作る、海外で生活する、そういったことで自分の視野が大きく広がります。
英語を習得し、視野を広げることで自分の将来への選択肢も大きく広げることができるのですね。
英語ができれば、グローバル企業や外資系企業での就職・転職もできる。
また、海外生活で培ったサバイバル力で、自分で事業を起こすという発想もできるかもしれません。
さらに、私のように日本を離れて、仕事の場を海外に広げることもできます。
そうやって、大きく自分の可能性・選択肢の幅を広げることができるのも語学留学なんですね。
語学留学のデメリット
一見、メリットだらけの語学留学ですが、デメリットはあるのでしょうか。
ここでも、私自身の経験も踏まえて、デメリットについても考えてみたいと思います。
- 留学費用が高い
- 短期間では語学習得はできない
- ネイティブとの交流は難しい
①語学留学は費用が高い
語学留学は決して安くはありません。
支払うのは語学学校の学費だけではなく、現地までの飛行機代、宿泊費、食費など様々な費用がかかります。
留学サイトによってもばらつきがあるのですが、学費と生活費を足すとおおよそ以下の費用となりますので、目安にしていただければと思います。
以下の金額はおおよそですので、1~3か月の語学留学では以下の数字の±15万円ほど、6か月~1年間の語学留学では以下の数字の±50万円ほどの違いは生じます。
1か月 | 3か月 | 6か月 | 1年 | |
アメリカ | 35万円 | 100万円 | 200万円 | 350万円 |
イギリス | 30万円 | 100万円 | 200万円 | 350万円 |
カナダ | 30万円 | 90万円 | 150万円 | 280万円 |
オーストラリア | 30万円 | 90万円 | 150万円 | 280万円 |
フィリピン | 15万円 | 45万円 | 80万円 | 150万円 |
中国 | 20万円 | 40万円 | 100万円 | 200万円 |
まず、言語習得にこれだけの費用が支払えるのか、ということが問題となります。
②短期間では語学習得はできない
1か月~3か月くらいの短期語学留学で習得できる言語能力にあまり期待しすぎない方が良いと思います。
私自身の経験からも、1か月では正直、外国語で話す度胸がつくぐらいです。
3か月を過ぎたあたりから、言語的にも進歩がみられると思います。
ただ、3か月で言語的な成長を望むのであれば、現地の生活を楽しむだけではなく、しっかり勉強にも励む必要があります。
6か月~1年であれば、TOEIC外資系企業からも評価される860点や、HSKで5級(中級・高級)が狙えるのではないかと思います。
③ネイティブとの交流は難しい
語学留学をすると、現地でネイティブの人とたくさん交流ができるのではないかと思う人は多いのですが、現実はそうではありません。
授業では周りの人も留学生ばかりですので、私の経験からも努力をしなければ現地のネイティブの友人を作ることは容易ではありません。
これはアメリカで語学留学をした時も、中国で語学留学をした時も同じでした。
他の世界中から来た留学生と仲良くなるのも、それはそれでよいのですが、やはり現地の友人を作りたいと思ったら、自分から交流を持てるように努力して動かなければいけません。
語学留学を考えるポイント
それでは、語学留学を考える際のポイントとなるのは何でしょうか。
以下の3つの点について考えてみました。
- 留学費用
- 留学期間
- 留学場所
①留学場所:フィリピンってよいの?
留学場所はとても大事です。
アメリカ、イギリス、オーストラリアなど英語がネイティブで話されている国でも、英語のアクセントは異なります。
また、国によって生活習慣や文化的背景、人々の考え方も違いますので、その点をできるだけ調べて、自分に合ったところに留学できるように考えることが大切です。
最近は費用の安さからフィリピン語学留学が注目されています。
私自身もフィリピンには何度も行ったことがありますし、フィリピン人の友人もいます。
フィリピンはアジアの国で親日的なところもありますが、フィリピン人は普段タガログ語や現地の方言を話します。
また、フィリピンなまりの英語もアメリカ英語やイギリス英語とは異なっていますので、その点をしっかり理解して留学先を決める必要があります。
②留学期間:短期でも効果ある?
留学場所が決まったら次は留学期間を決めます。
留学期間は日本を離れることができる期間や予算にもよると思います。
駐期間留学したくても、そこまで休学や休職できないとか、予算的に長期は難しいという場合もあるでしょう。
ただ、本来はしっかり語学を習得しようと思ったら、半年から1年は必要になります。
正直に言って、1か月から3か月くらいでは、その言語モノにすることはできません。
ただ、外国語を話すモチベーションを高めたいとか、外国語を話す度胸をつけたいなどの雄であれば、1か月でも留学する意味はあると思います。
また、1年間しっかり日本で勉強した言語を現地で試してみたいなど、すでにしっかりした基礎があるのであれば、話は別です。
その場合は、現地に行ったらすぐに実践できますから、短期でもそれなりの意味はあるといえます。
③留学費用:安ければよい?
「安かろう、悪かろう」という言葉がありますが、留学は安ければよいというわけではありません。
安いのはそれだけの理由がありますので、あまりに費用が安いコースなどは注意したほうが良いと思います。
その国のいくつかの大学や語学学校が提供しているコースの値段や参加者のコメントや感想など、できるだけ情報を集めて決めたほうが良いといえるでしょう。
語学留学で失敗するケース
語学留学で失敗するケースが次のような場合です。
語学留学は少なからず、あなたの貴重な時間とお金を使うわけですから、ぜひ以下のことに注意して、後悔のない充実した留学生活を送ってもらいたいと思います。
- 目標が定まっていない状態で留学する
- 学習する言語の言語力がゼロの状態で留学する
- 日本人同士で固まる
①目標が定まっていない状態で留学する
行けばできるようになるだろうというあいまいな気持ちで語学留学に行っても、ほとんど習得できないで帰ってくることになるでしょう。
留学が終わるまでにTOEICで860点以上の力をつけたい。
TOEFLやIELTSでどれだけのスコアをとる、などぜひ留学前に目標を決めておいてください。
また、極端な話、目標とするのはテストのスコアでなくても、例えば現地で現地人の友達を30人作る、などというものでもよいと思います。
とにかく、なんとなく行ってすごして帰ってくるということにならないように、なんでもいいので目標を立てて、留学中はその目標達成に向けて頑張りましょう。
目標は留学が始まってから現地で変更してもよいと思います。とにかく留学中、達成に向けて頑張れる目標があるということが大切です。
②学習する言語の言語力がゼロの状態で留学する
私自身の経験や周囲で留学を経験した人の状況を総合すると、日本にいる間に、語学留学して学ぶ言語の基礎をしっかり身につけて留学した人が大きく言語力を伸ばしています。
語学学校に入れば初心者用のレベルのクラスもありますから、問題ないともいえるのですが、せっかく現地に行っているのですから、すぐにでもその言語を使って実践したいですよね。
それなのに、現地に行っても、日本でも勉強できるような基礎単語・熟語、文法などで躓いていてはもったいないです。
限られた留学期間を最大限利用できるように、基礎単語・熟語や文法などは日本にいる間にしっかり勉強しておきましょう。
③日本人同士で固まる
語学留学をすると、現地でも必ずと言っていいほど日本人の留学生がいます。
そのような日本人の留学生と全く関係を持つなとは言いません。
ただ、せっかく現地に行ったのに、毎日日本人とつるんでいるようであれば、言語は伸びません。
何のために留学に来ているのか、という目標を常に忘れないように生活することが大事だと思います。
社会人の語学留学
社会人になってから留学を希望する場合もあるかと思いますが、これはよくよく考えて決めたほうが良いと思います。
企業によっては、会社の経費で語学研修に行かせてくれるところもあります。
また、休職という形で語学留学し、日本に帰ってきたら復職できるのであれば、まだよいでしょう。
ただ、仕事を辞めてまで語学留学したいということであれば、注意が必要です。
海外での就職も考えているとか、キャリアチェンジでの語学留学もあるかもしれません。
ぜひ後々後悔しないよう、よく情報を仕入れて周りの人も意見にもしっかり耳を傾けたうえで決めてください。
まとめ:語学留学を成功させるために
語学留学は海外での生活や外国人との触れ合いなど、刺激的で夢のようなこともたくさんあります。
しかし、あなたの貴重な時間とお金を使うわけなので、期待に胸を膨らませながらも、しっかり現実的に準備を進めることが大切です。
留学する国、留学する期間、留学する目的・・・
これらの点についてできるだけ情報を集めて、しっかり考えたうえで、決めていただきたいと思います。
語学留学をただ楽しかったというものにするのもあなた。
充実した、大きく自分の可能性や将来への選択肢を広げるものにするのもあなたです。
是非、あなたの夢に大きく近づけるような語学留学にできるよう応援してます!
最後まで読んでいただきありがとうございました!